とろろこんぶろぐ

かけだしR&Dフロントエンジニアの小言

富士通からリクルートに転職して8ヶ月経ったので振り返ってみる

はじめに

新卒から丸4年間働いた富士通を退職し、2018年4月1日からリクルートテクノロジーズでフロントエンドエンジニアとして働いています。

最初転職してすぐにエントリを書こうかと思ったのですが、転職先でうまくいくかもわからないし、前職との違いも比較できなかったので、8ヶ月経って落ち着いてきた今、書いてみようと思います。

この記事が誰かの参考になれば、とは思いますが、前職のことも現職のことも一側面の話でしかないので多くの内容で主観を含みますのでご了承ください。

また本記事は、「Recruit Engineers その2 Advent Calendar 2018」と「楽しかった職場 みんなのF2 Advent Calendar 2018」の6日目の記事です。なので、ちょっと丁寧に書いてます。

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転職しようと思ったきっかけ

転職のことを話すとよくきっかけはなんだったのか聞かれますが、もともと入社当初から富士通という会社にずっといようとは思っていませんでしたし、明確にXXが嫌だったから辞めた、というきっかけはありません。せっかくの一度きりの人生なので異なる環境でいろんな経験をしたいなと思っただけで、富士通ではない別の会社に入社していたとしても辞めていたと思います。

個人的にはきっかけなんてあってないようなものだと思っていて、辞めない理由がなくなったら転職したら良いと思っています。

実際に転職するまでにやったこと

実際に転職したのは4年目でしたが、2年目になってから本業とは異なる活動をしていました。

2年目は、大学の頃の同期とともにスタートアップの立ち上げを行いました。何ヶ月かやった結果、まったくうまくいかず、エンジニアとしての知識・経験が全く足りないことを痛感しました。これを機に仕事とは別の時間でちゃんとプログラミングを勉強し始めました。

3年目は、外部の勉強会に参加するようにしたり、研究職としての繋がりやスタートアップの知り合いを通じて交流を広げ、自分の世界観を広げる活動をしました。これらの活動で1社に留まっていたら自分の価値観が固まってしまう危機感を覚えつつ、人生の選択肢の幅を広げることができたと思います。

4年目になり、そろそろ環境を変えてもいいのではないかと考え、4社ほどの転職エージェントと話をしながら自己分析を行いました。いろいろ考えた結果、

  • 複数の自社サービスを開発している
  • 優秀なひとがいて成長できる
  • 働き方にある程度の自由がある

これらをポイントにして転職先を考え、リクルートテクノロジーズを選びました。

振り返ってみると転職エージェントと話すこと自体はあまり生産的ではなかったですが、職務経歴書を書きながら自分は本当は何がやりたいのか?自分には何ができて何ができないのか?といった自己分析ができたことがとても良かったかなと思います。じゃあどういう環境が自分にとって良い環境なのかを考えることができたからです。

前職とのちがい

前職は研究職で、自分の最低限の責務は年に2本の特許を書くことでした。そのほか新規事業に貢献する研究のタネを出してプロトタイプを開発したり、実際に事業として展開されている案件を発展させる開発を行ったりしていました。 4年間を振り返ってみると具体的には、特許のアイデア出しを含む、研究ディスカッションの資料作りと打ち合わせが5割、開発業務として外注管理を含んだうえでの開発が3割、その他の雑務が2割くらいだったかなと思います。

現職はフロントエンドエンジニアで、自分の最低限の責務は任された案件の担当部分を期限までに開発することです。最初の慣れないうちはほとんどマンツーマンでメンターがついた状態で開発を進めさせてくれ、レビューを通じて正しい書き方と理解を深めていき、2、3ヶ月でメンターからだんだん手離れして行くような形でした。 この8ヶ月を振り返ると具体的には、自身による開発業務が9割で、その他雑務と打ち合わせが1割くらいだと思います。

振り返ると、自分と会社にとって必要なことが重なっているかどうかが大事だなと思います。いまの自分にとって必要なことは「サービスを開発し技術力を高めること」だと感じていて、会社としても「サービスを開発をすること」を責務としてほとんどの時間を開発業務に充てさせてくれていることが、僕にとってはとても良い環境であると思います。

会社自体の比較

会社の雰囲気としては若干違いを感じています。

富士通は終身雇用型の安定企業で、年齢層は高め、企業全体としてまだまだ形を重んじる風土がありました。

一方でリクルートは、退職する人が常に一定数以上おり、逆に外部から転職してくる人も多いので、社内に限らず社外との風通しがよく、会社として柔軟で健康的であり続けている雰囲気を感じます。

ワークライフバランス

前職の頃は、フレックス制度や裁量労働制は存在するものの5年目以降からの適用で、フレックスになったとしてもコアタイムが8時台で定時と変わらず、朝が苦手な人にとっては少し大変です。ただし、有給は20日あり、確かそれ以外にも休暇に種類があって全部で25日分くらいは休みが取れたと思います。

現職ではフルフレックス制度なので打ち合わせがない限り朝の時間を気にすることはほとんどありません。ただし有給は今年度は10日になりました。

年収・給与

まだ転職して初年度が終わっていませんし、具体的な数字を見て書いてるわけではないですが、毎月入ってくる給料は前職と大して変わってないです。ただ今後の上がり率や福利厚生まで見ているわけではないのでなんとも言えません。 どちらかというと、今年に限って言えば初年度は上期のボーナスがもらえなかったし、昼食代や都内に引っ越して家賃が上がっているし、基本的にいろいろ出費がかさんでいて、生活は豊かになっているどころかむしろ厳しいです。

そのほか

あとは相対的に感じていることを書き出したら結構たくさんあって書ききれないので、聞きたい人はなんらかの形で個別に聞いてください。

転職して大変だったこと

転職してよかったって話はよくあると思うので、転職して大変だったなと思うところも書いてみます。

大きく括ればIT系企業でしたが、大手メーカー系研究職からWeb系職種になったために、職種や業界、業種で異なる常識に慣れるのに苦労しています

これまで培ってきた文化や常識が簡単に覆るので、自分にとってみれば非常識に見えることが常識だったり、逆にものによっては自分が周りの人から非常識として捉えられているので、行動への気遣いが難しいです。例えば、社外で自分の業務内容を口外することが御法度でしたが現職では問題なかったり、やりたいことを言えない世界線でしたが、やりたいことを言わないと意思がない存在になってしまうなどです。

また、当たり前ながら業界的なコンテキストが全く追えてないし、自分の持ってるこれまで培ってきたコンテキストはほとんど無価値になりました。例えば、共通認識的な研究界とその界隈の先生たちの名前が出てくることはなくなりました。

あとは単純に必要となる技術的専門性が足りずに、最初は特に自分の無能感を感じていました。これまで得意としていた研究や特許のようなアイデア出しは特に活かせるところもなく、専門職なので当たり前なのですが、やはり厳しい気持ちにはなりました。

転職してよかったこと

一方で、転職してよかったことは多くあります。一番よかったことは自分の成長そのものだと思います。Webサービスを1つも開発・リリースしたことがなかったですが、入社してから毎日勉強させてもらって、8ヶ月経ったいまはある程度の知識と技術がついてきたなと感じることができるようになりました。

職場やグループにも優秀な人たちが多いので、毎日学びを得ることができるだけでなく、現状に満足せず技術的なチャレンジをし続けている姿勢を見ているととても刺激になります。

また、研究開発と大きく違うのは、実際にユーザが使うサービスを開発していることです。リリースされたサービスを、自分のスマホからアクセスできるだけで嬉しかったり、ユーザが使ってくれているのを分析ツールで見ながら一喜一憂するなどの経験はとても良いものだと感じました。

さいごに

8ヶ月経ってもまだまだ知識も経験も足りない状態です。ちょうど1年くらい前に面接をしてもらって、エンジニアとして未熟な自分がよくこの会社に受かったなと思います。自分を採ってくれた上司と会社に感謝しかありません。一方で、もしこれを読んでいる方で自分はまだ未熟だと思っている方がいても、中途採用でもポテンシャルも見てくれる会社はあるので、諦めずに自分の世界を広げてもらうといいのかなと思います

以上です。読んで頂きありがとうございました!