とろろこんぶろぐ

かけだしR&Dフロントエンジニアの小言

Web エンジニアが育休をもらった話

概要

1ヶ月間育児休業(無給)を取得しました。

育児休業を取るに至った経緯や取り方、また育児休職期間どのような生活を送っていたか記事にして残しておこうと思います。

本投稿に技術的な内容はありません。

また家庭や子供による部分が大きく個人差がありまくるので、参考程度に読んでください。

育児休業とは

育児休業とは、子を養育する労働者が法律に基づいて取得できる休業のことである。育休とも称される。女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約の第11条は育児休業の取得による解雇と差別を禁止している。

育児休業 - Wikipedia

産前産後休暇は女性に限った休暇ですが、育児休業は男性でも取得できます。 休職扱いになるため、無給状態になります。その代わり半年以内は給与の67%にあたる育児休業給付金が国からもらえます。 さらにパパ育休は、生まれてから8週以内に育休に入り育休を終えるともう一度育休をとることができます。 (僕の場合は育休終了が8週以内に収まらなかったので、その対象ではありませんでした。)

僕は、1ヶ月間「育児休職」を取り、もう1ヶ月間余っていた「有給」で休暇を取りました。 つまり僕が業務から離れた期間は2ヶ月間になります。

育児休業を取った理由

僕が在籍している会社では育児休業を長期でもらう男性社員は多数派とは言えません。 業務都合を考えると、取りづらくなる気持ちはわかります。 そんな中で育児休業を取得しようと思った理由は、3点あります。

  • お互いの両親のサポートが得られない

夫婦二人とも地方出身者で、関東に仕事に出てきて共働きしています。 親も共働きしている状態だったり、都会への移動が負荷になってしまったりと、お互いの両親がすぐ関東まで育児手伝いに来られる環境にはありません。 僕たちが住んでいる近くには似たような子供を持った知り合いがいるわけでもなく、コミュニティによるサポートも見込めませんでした。

  • 育児を妻に任せる考え方に共感できない

どことなく育児は妻がやるものという考え方が存在しているような気がします。 過去からの慣習なのか産んで母乳が出るからなのか、論理的な意味付けはよく分かっていません。 育児と家事を少なくとも半分は行うと考えた時に、業務しながらこなす自信がなかったからです。

  • 子供と触れ合う時間が欲しい

純粋に生まれた子供と触れ合う時間が欲しいと思いました。 その時間が業務後や土日だけでなく、平日の日中も一緒に触れ合いながら育児をして一緒に時間を過ごしたいと考えました。

育児休業を1ヶ月にした理由

どうして半年や1年といった長期ではなく、1ヶ月になったのか、理由はこれも3つあります。

  • どれだけ大変なのか分からないから

まず一つに、「育児がどれだけ大変なのか分からない」ということがあります。 はじめての子供で育児がどれだけ大変か想像できませんでした。 子供がいる家庭の状況は人それぞれで、子供によるところが大きいと思います。 自分たちがどれだけ大変なのか想像できない状態で、取得前に何ヶ月取るか決めなければならないため、半年〜1年間が長いのかどうかわからなかったからです。 今、過去の自分に伝えられるなら1ヶ月では足りないから半年〜できるなら1年取った方がいい、と言うでしょう。

  • 業務都合

上述した通り、僕が在籍している会社では育児休業を長期でもらう男性社員は多数派とは言えません。 そのため、業務上の都合で自分がチームから長期で抜ける調整が必要になります。 具体的には書きませんが、調整の結果2ヶ月が限界だったのではないかと思っています。 さらに言うと、1ヶ月の休職が限界で、もう半分の後半1ヶ月間は有給の合間に働く日を作ることで調整しました。 (なので、休職ではなく休暇という形を取りました。)

  • 金銭面

育児休職期間は給与が出ません。67%の保証はされますが、言い換えれば33%減ります。 これは共働きなので、夫婦ともに33%減ります。 妻は少なくとも1年は育児休職を取ることになり、半年間は67%、その後半年は50%になります。 もともと計画的に貯蓄しておいたわけではなかったので、家賃と生活費を考慮して、二人とも育児休職になるのは金銭面で厳しいと考えました。

生まれた瞬間に必要なものがたくさんあるので、それだけで相当な出費があります。 例えば出産一時金は国から42万円もらえますが(最近増えると話題)、全く足りません。十数万円以上のオーバーは余裕です。 ベビーカー・チャイルドシートは数万円台がデフォ、ハイローチェア、バウンサー、ベビーベッド、あげればキリがない状況です。 さらに育児休業給付金の振り込みは数ヶ月先ときています。 それでも普通に家賃とかあるわけなので手元に何十万という額を用意しておかないと、子供を産んではいけない計算になってしまいます。

これは言い過ぎかもしれませんが、男性育休が進んでいない現時点では相対的に見ると給料は下がり得ます。 なぜならその1年で働いてコミットできていた成果を出せなくなるため、昇給昇格のチャンスを1年先延ばしにしているとも言えるからです。

育児休業を取るまでに困ったこと

  • 業務の調整

業務内容はチームリーディングやいわゆるテックリードと呼ばれるような技術的なディシジョンを決める役割にあります。 僕が抜けることによって、チームを代わりにリードする代役を立てたり、技術的な方針を先んじて決めておくなどの調整が必要でした。 実際僕の場合は、1ヶ月経ったところで状況確認の打ち合わせを1日入れて聞いてみたら、すぐにでも戻って欲しい、という話をされました。

  • 申請周り

会社、役所周りの申請は正直面倒だったなと思います。 だいぶ面倒ではないように工夫してくれているのだとは思いますが、それでも面倒だなと思いました。 特に役所関連では里帰り出産のため、里帰り先でかかった費用を住所地の補助を使って精算する場合に、大変でした。 会社では、人事制度として存在しているはずなんですが、男性育休に慣れていないような手続きの不都合さを感じました。

  • 里帰り

妻の希望で、里帰り出産を選択しました。 妻の両親のサポートが得られて見知った産婦人科で産める方が良いと判断しました。 困ったことは、上述した申請周りもそうなのですが、新生児期に用意するベビーグッズを里帰り先で買うということです。 ありとあらゆるグッズを里帰り先から、関東の居住地まで送るか、新たに買い直す必要がありました。 新生児を連れてたくさんの荷物を持って新幹線等の移動も大変でした。 また、コロナの影響もありました。病院から立ち会い出産をするためには一週間の同居が必須条件だったため、予定日の一週間少し前から義実家への同居をし、結果的に予定日の一週間後に出産だったので、約二週間の義実家同居となったのも少し大変でした。

育児休業中の1日

育児休業期間、何をしているの、と聞かれることがたまにあったので、ある日の育休中の1日を書いてみます。 子供は生後2ヶ月半くらいの頃のことです。日によって違いますが、大体用事がなくて出かけない日はこんな感じでした。 もちろん日によって全く違うリズムの日もあります。

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前日
02:00 就寝

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当日
07:00 
 起床
 授乳ミルク
 寝かしつけ
09:00
 朝ご飯
 洗濯(子供)
 洗濯(大人) 
10:00
 コーヒーブレイク
 今週の予定確認
10:30
 調べ物少し
 うつ伏せの練習
 ぐずるのであやす
11:15
 調べ物少し
 ぐずるのであやす
 うんち
12:00
 授乳ミルク
 昼食準備
13:00
 昼食
 寝ぐずりしたのであやす
15:00
 昼寝
16:00
 授乳ミルク
 お風呂準備
 お散歩準備
17:00
 お散歩兼お買い物
18:00
 お風呂
 ぐずるのであやす
19:00
 授乳ミルク
 夕食準備
20:00
 夕食準備
 夕食
21:00
 寝ぐずりしたのであやす
21:15
 テレビ視聴
22:00
 授乳ミルク
 子供の爪切り
 就寝準備
23:00
 寝かしつけ
23:30
 うんち
 寝かしつけ
01:30
 授乳ミルク
02:00
 寝かしつけ
02:30
 就寝

育児休業中の1日の補足

うちの子は授乳に時間がかかるタイプだと思います。 なぜかというと、母乳とミルクを混合にしていることと、授乳中にすぐ寝てしまうからです。 寝てしまうと吸ってくれないのですが、食事に満足しているわけではないので、置くと背中スイッチで起きて泣きます。 飲んで寝て、起きて飲んでまた寝て、を繰り返すので時間がかかってしまい、時間がかかるときはそれだけで1時間かかります。

僕はミルク担当だったので、ミルクを作って冷やします。 寝てしまった子供を妻から受け取って起こして妻に戻す作業をしつつ、ミルクを冷やしすぎないよう適温状態をキープします。 さらにミルクは基本授乳の後なので、作っても時間が経つと悪くなってしまい捨ててしまう可能性もあるので、ミルクを作るタイミングも難しいという問題もあります。

うちの子は夜寝る方だと思います。5、6時間は寝てくれる日が多いので、他の家庭に比べると楽な方なのだと思います。 悪い日だと1時間ごとに起きてしまって、大人からすると実質オールしたような日もあります。 もちろん日によります。

掃除も夫婦だけのときに比べて頻度が高くなりました。子供にとってホコリが良くないからです。 ただ物が増えるので整理整頓はこれまで以上に難しくなっています。 哺乳瓶など子供向けのものを別で配置するためのスペースが必要で、マンションのキッチンやシンクなんて大したサイズないので場所に困りました。 食器に限らず衣服やタオルなど、基本的に大人と分ける形になるので、新たにスペースが必要になりますし、部屋を綺麗に保つのは至難の技です。

うちの場合沐浴はお風呂の浴槽を使っています。正直一人で沐浴はかなり大変です。また、お風呂を綺麗に保つ必要があるのでお風呂掃除が毎日になりました。

家にずっといても子供にとって刺激がないので毎日散歩します。リモートワークで完全に出不精だった僕が毎日外に出て散歩することになったのは、すごいことです。さらにちゃんと買い物して帰って料理しているので、ちゃんと人間らしい生活を送ることができています。

一番時間がかかるのが寝ぐずりでした。寝ぐずりは寝るまで抱っこして揺らしていないといけないので、手が空かず基本それ以外のことが何もできません。 長いときは、1時間以上泣き続けることも余裕でありますし、腕はパンパンになるし、腰は痛くなります。 そのため交代交代で抱き上げるのが必須でした。 妻は育休中にコロナワクチンを打ったのですが、腕が痛くなってしまい、抱き上げるのに苦労していました。 ちなみに僕は育休中にぎっくり腰になりました。

調べ物をしている時間は、子供に関する情報収集をしています。 コロナ禍ということもあり、ママ会や両親学級などは開催されていないし、近くに友人が住んでいるわけでもないので、子育て情報の収集がほとんどネットか本オンリーで、たまに職場や友人にラインで聞く程度になっていました。 そこまで親しげに聞ける友達がそもそもいないという話かもしれないですが・・・手が空いたタイミングで、よく調べものしていました。

無理やり作ろうとしないと、大人のまとまった自由時間はありませんでした。

これは僕だけかもしれませんが、朝起きるのが厳しいです。朝起きなくていいように転職してフルフレックスの会社にしたんですが、朝は必然的に起きる必要が出てきたので、朝好きな時間まで寝られない厳しさを味わっています。

あとは、毎日同じことを繰り返していたりすると、エンジニアの性で、自動化したくなりますね。

振り返り

振り返ってみると、正直夫婦二人で取り組んでも育児と家事は本当に大変で自分の時間はあまりなかったです。 その代わりほとんどストレスがない生活を送ることができたと思います。

二人なので、大変だ、疲れた、もう抱いていられない、トイレに行きたい、みたいなタイミングで、「ちょっと代わってもらって良い?」ができるかできないかがめちゃめちゃ大きかったと思います。

個人的には育児休業は取った方が良いと思います。 もしできるなら半年〜1年間は取りたかったです。 時短では育児の時間が足りないが、皆無だと金銭的に苦しいので、 気持ち的には最初半年間は33%給与分、次半年は50%分だけ働かせてもらえるオプションがあるとありがたいなと思いました。

一番大事なことなんですが、子供は死ぬほど可愛いです。目に入れても痛くないというのは本当です。寝ぐずりで寝なくても、寝る直前の新生児微笑で帳消しどころかプラスになりますし、泣き喚いていても泣き止んだあとの寝顔で帳消しどころか親は笑顔になれます。子供のためにこれから仕事頑張ろうとは思わなかったですが、子供のためにできることはなんでもしてあげようとは思いました。

最後に買ってよかったものや参考にして買った本を置いておきます。 もう少し経ったら別でブログにするかもしれません。